出品者のきもち

 
丹精込めて作った商品に込めた気持ちを聞いてください。

担当者
担当者
大分県豊後大野市
食品製造業
あねさん工房
代表 進藤 充啓

地元の女性の方から支えられてきた経緯から、もっと女性がいきいきと活躍できる場所を作りたいという想いから、付けた名前は「あねさん工房」。大分県内では美味しいかぼすも身近過ぎて売れないからと、日持ちする加工食品にして全国に向けて自社の商品とかぼすの美味しさを発信している。今では、東京、大阪の一部デパートでも商品に出会うことができるように。


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農家出身の社長なのに近くて遠い農業就業

実家は米農家。米作りをするつもりで農業高校にまで通ったが、国の減反政策で就業が困難に。仕方なく地元の工場に就職し10年以上働いたが、農業への想いは消えるどころか強くなる一方。退職を申し出ると「下請けをする工場を作って経営してくれないか」と、思ってもいない展開に…。心が揺れたが何事も経験、良いも悪いもたくさんのことが起こったが、そのまま工場を約20年経営。それでも農業への想いは消えず、事業譲渡で工場を手放し、足掛け30年、長年の夢を叶える瞬間が訪れた。

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地元への恩返しで頼まれたNPO法人の活動から、かぼす作りに

新藤さんはスポンジだ。本来進みたかった道ではなかった30年を、すべて自分の身にしてしまった。品質、納期管理、商品ひとつの発想から人を大切に想う気持ちまで、工場で手に入れたすべてすべての時間と経験をかぼすに注ぎ込んだ。

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豊後大野市(合併前の旧緒方町)は、かぼすの名産地。

最高の土壌で作り出すかぼすはとにかく旨い。魚や肉、お酒やお菓子に、何と合わせても最高の脇役になるのだ。Iichikono三和酒類にもかぼすの提供をしているが、ただ、地元大分県においては「メジャー過ぎる」のが悩み…。どこに行っても見かけるばかりに、当たり前になり過ぎているのだ。子供の頃から食べていた豊後大野市の美味しい食材を全国の人に届けたい。そんな想いで商品開発。いつも真面目で真っすぐな人は本当に強い。

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かぼすの価値を上げ、食べる人のことも考えたたくさんの商品を開発

大分ではかぼすがいっぱいあり過ぎてゴロン、ドカンと積まれて販売されている印象。「やまのまりも」「かぼすコンフィチュール」「かぼす日和」「かぼすのしずく」。主力商品はそのデザインもかわいい。見た目は大事なのだ。 味や製法にもとにかくこだわる。例えば、「やまのまりも」は、小さな実を実らせる初夏に収穫した「早どりかぼす」をじっくり煮込む。しかもなんと10日間…。ベストだと思えば手間も厭わない。価値は中身が作るのだ。

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あねさん工房設立から10年を超え

堅実な仕事から徐々に販路も広がってきた。名前の通り、地元の女性が多く活躍する職場になり、働く人の表情は皆明るい。良いものを作る良い人のコミュニティをはじめ、商品価値を高めるなど、かぼす作りだけではない持続可能な農業への取り組みをずっと大切にしている。時代がやっとあねさん工房に追いついてきたのかもしれない。