出品者のきもち

 
丹精込めて作った商品に込めた気持ちを聞いてください。

担当者
担当者
大分県大分市
飲食業
菜なくら
代表 本田 ひらき

店を切り盛りするのは二代目のひらきさん。ガッツリ油っこいイメージを持たれがちだが、男女問わず、カジュアルにとんかつを楽しんで欲しいという想いで営業している。食材ひとつ、盛り付けひとつから、さながらとんかつの懐石料理を食べているような感覚を覚える、そんな大分県大分市の人気とんかつ店。


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始まりはサラリーマンの人気店

父親の広行さんが、1992年に脱サラでフランチャイズのとんかつ店を始めたことに遡る。時代の流れもあり、当時はボリュームたっぷりで、おかわり自由の店が大人気。多分に漏れず、味もよくガッツリ食べられるその店は、いつも多くのサラリーマンでごった返していた。 毎日が忙しく、基本に忠実にお客様を喜ばせることだけを考える日々が続いた。

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重ねるごとに深くなる。転機に芽生えた揚げ物への探求心

毎日を当たり前に過ごし、クオリティを落とさない。フランチャイズにとってとても大切なこと。お客様が望む味が店によって変わると、そのブランド自体の信頼感が揺らいでしまうのだ。コツコツコツコツ、与えられたルールの中での探求心に突き動かされ、広行さんは常にベストを探した。揚げ方、旬の食材、美味しい産地…。
そんな時、転機が訪れる。時代の流れの変化に伴い、フランチャイズチェーンが無くなり、屋号だけを残して各店舗が自助努力を行うことになったのだ。
意図せず二度目の独立を迎えた広行さんは、貯めこんだ知識や技術を開放した。「もっと美味しいお肉を仕入れたい」「最高のパン粉で最高のサクサクを」「もっと良い揚げ方があるのではないか」。生まれたのは不安感ではなく好奇心。

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たどり着いた答え

店内を見渡すとサラリーマン。それはそれで良いのだが、もっと幅広い層に食べて欲しいという欲求を抑えきれなくなった。「原価はあまり意識せず、良い食材を使い、良い調理方法で、とにかく美味しいものを作ろう」、そのシンプルな目的を達成するために、大分県内をくまなく回り、時には北海道、関東、関西、良いものがあると聞けば出向き、美味しいと聞けばどこにだって食べに行った。数年の思考錯誤の後、目標とするメニュー作りを実現した。

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7つのこだわり

こだわりという言葉は便利で、漠然としていても使えるが、数年の時をかけて作り上げた「こだわり」は、フランチャイズ時代に身に着けた自分への義務の意味も持つ。
 1.お肉へのこだわり
 2.パン粉へのこだわり
 3.低温2層揚げへのこだわり
 4.とんかつソースへのこだわり
 5.自家製手作りドレッシング
 6.岩塩へのこだわり
 7.地域食材へのこだわり

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中身を作り、外見を変えた。屋号と内外装を一新し、新しい体制に

フランチャイズを始めた頃に生まれた息子ひらきさんは、とんかつ屋を継ぐことを早い時期から考え、経営や地域との結びつきを得られる前職で学びながら働いた。屋号を変えたところから、ペンとパソコンを箸とトングに持ち換えてとんかつ屋に転身。

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女性が行きたくなるとんかつ屋に。さながら“とんかつ懐石”

7つのこだわりにもあるように、食材の良さはもちろんのこと、揚げの技術は美味しさの重要な要素。

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全国の人にこの味を届けたい。その想いから商品化

とんかつの通販をしたい。ただ、解凍してご自宅で食べてもらうには味が変わってしまう。満足のいく通販用のとんかつはまだまだ開発中だが、もうひとつの人気メニュー“コロッケ”は、ようやくクオリティを落とさずに食べてもらえる商品が出来た。
まずはここから販売。オリジナルのコロッケに加え、食材の宝庫おおいたの美味しい食べ物とミックスしたシリーズ展開を研究中。まずは「湯布院チーズ」から。

家業はとんかつ屋。これからもとんかつ屋。
地域に根差し、変化に柔軟に対応してより美味しいものを作っていくこの店は、子や孫の代になってもすくすくと成長していくに違いない。